泡盛出荷12年連続減 2年連続2万キロリットル割る


社会
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泡盛の出荷量減少について記者会見する県酒造組合の玉那覇美佐子会長(中央)と大城勤副会長(右)、土屋信賢専務(左)=31日、那覇市の県酒造組合

 県酒造組合(玉那覇美佐子会長)は31日、2016年の泡盛出荷量を発表した。総出荷量(アルコール度数30度換算)は前年比2・9%減の1万8694キロリットルで12年連続で減少した。2年連続で2万キロリットルの大台を割る厳しい結果となった。出荷量はピークだった04年の2万7688キロリットルと比較すると67・5%の水準まで落ち込んだ。

 那覇市の同組合事務所で会見した玉那覇会長は「全国の酒類市場の厳しさも相まって減少に歯止めがかからず、12年連続で減少する極めて厳しい結果となった」と話した。

 出荷量の内訳は県内出荷が前年比2・8%減の1万5913キロリットル、県外出荷は同3・4%減の2780キロリットルだった。ピークの04年と比較すると県内出荷は74・2%、県外出荷は44・5%の水準に落ち込んだ。

 総生産量は同3・0%増の1万9858キロリットルだった。生産量が微増する一方で出荷量が減少する背景について、土屋信賢専務は「(各酒造所は)3年以上熟成させる古酒の商品化に取り組んでいる」と話した。

 大城勤副会長は出荷量減少の要因について「人口減少や高齢化、若者のアルコール離れなどにより、国内の酒類市場は全国的に縮小している。県内の飲食店や量販店で泡盛以外の日本酒や洋酒も扱われるようになり、市場の多様化が進んでいる」と説明した。

 今後の展開については、県内各酒造所と連携した酒蔵を巡る観光ツアーの提供のほか、若者や女性向けの泡盛カクテルを普及、提案する方針を示した。