民意代表し政府交渉 政策調整監の吉田勝広氏


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政策調整監就任に当たりインタビューに答える吉田勝広氏

 翁長県政で新たに基地問題に対応するため、元金武町長で元県議の吉田勝広氏(72)が1日付で政策調整監に就任する。吉田氏は就任に合わせて琉球新報のインタビューに答えた。(1)米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の埋め立て阻止(2)米海兵隊輸送機MV22オスプレイの撤退(3)それらを網羅した建白書の実現―の3本を原則に掲げ、「沖縄県の民意を代表する決意でやっていきたい」と政府交渉に臨む姿勢を強調した。さらに辺野古新基地建設阻止に向けた行政権限だけでなく、嘉手納基地への反対運動の波及も含めて基地全般にわたり「米兵が居づらくなる」ための権限行使も検討すると述べた。

 基地問題の解決に向けては町長時代の経験も踏まえて「現場を大事にしたい。基地内の司令官と会い、辺野古の3区長の話を聞くのも大事。すぐにやりたい。国頭、伊江などの村長、宜野湾市長にも会いたい」と述べ、地元の当事者と対話を進める考えを示した。

 昨年4月の米軍属女性暴行殺人事件など事件事故の阻止へ決意を示し「沖縄に基地があるがための犠牲はもう出さない。そういう気持ちで取り組んでいく」と述べた。日米地位協定の改定にも強い意欲を示した。

 新基地建設阻止以外の権限行使では嘉手納基地包囲行動のほか、米軍機による施設区域外の低空飛行訓練を「空中権」でけん制するなどの方策を模索する。

 基地問題への理解を深めるため沖縄の現状発信にも取り組む。アジアや欧米の主要メディアの記者や在京大使館の大使らを招致して沖縄の実態を見てもらうことも検討する。自身の人脈を活用して米ハワイ州やカリフォルニア州の議員にも面談に赴き、米国内と沖縄の違いも指摘していく。

 普天間飛行場の移設を巡り公明党県本が県内移設も研究していることに関連し、かつて金武町内での陸上移設案も取り沙汰された経験を挙げて「陸上案は町長時代から分かっている。政府から陰に陽に(打診が)あって『造るなら赤旗むちゃーに戻る、ぬちかじりでやる』と言ったんだ」と述べ、陸上案にも反対する姿勢を強調した。