県、国へ行政指導 辺野古、破砕許可再申請を要求


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎

 名護市辺野古の新基地建設工事を巡り、県は5日、岩礁破砕許可が3月末に期限が切れた後も工事が続けられていることに対し、沖縄防衛局に許可を再申請するよう求める行政指導をした。県との事前協議なしに実施されている海底掘削(ボーリング)調査についても事前協議をするよう求めた。行政指導に強制力はないが、国が指導に従わずに工事を続行した場合、県は警告や告発のほか、工事差し止め訴訟などさらなる対抗措置を検討する見通しだ。

 県は今回の行政指導通知で、国との見解の分かれる漁業権について「漁業権免許関係事務は自治事務である」とし「県には漁業権の適切な解釈を持って当該事務を行う責務がある」と強調。知事による変更許可が行われない限り漁業権は存在し、岩礁破砕を伴う工事には岩礁破砕許可が必要だとした。沖縄防衛局は、工事海域には漁業権は存在しないと主張しており、岩礁破砕許可は不要との立場を堅持している。

 さらに行政指導の一環として工事の進捗(しんちょく)を尋ねる資料提出の「依頼」も合わせて出した。ボーリング調査や、汚濁防止膜設置用コンクリートブロックの設置場所等の最新状況をまとめた資料を提出するよう求めている。提供期限は19日。

 5日夕、県水産課の担当者が沖縄防衛局を訪ね文書を手渡した。県によると、沖縄防衛局の担当者は、漁業権は存在しないとの立場であるとし「本来は文書は受け取る立場にない」とした上で文書を受け取り、岩礁破砕許可申請についても「申請する予定はない」と述べた。