車に傷、米軍の流弾か 沖縄・恩納村の基地内工事現場 けが人なし


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦

 沖縄県恩納村の米軍キャンプ・ハンセン内の安富祖ダム工事現場で、工事業者の車や水タンクに米軍の流れ弾によるものと見られる傷が付いていたことが14日、明らかになった。同日、恩納村が沖縄防衛局に報告した。いずれもけが人など人的な被害は確認されていないが、一歩間違えば人命に関わりかねない事態で、沖縄の暮らしが基地による危険と常に隣り合わせにあることがあらためて浮き彫りになった。

 村や県、沖縄防衛局によると13日、ダム工事現場に止めていた工事作業員の車のドアに傷が付いており、付近に銃弾らしきもの(長さ数センチ、直径数ミリ)が落ちていた。

 6日にも工事現場にあった水タンクに穴が開き、タンク内から銃弾らしきものが発見された。銃弾らしきものは現場に来た米軍の担当者が回収した。数は公表されていない。

 防衛局は14日、村からの報告を受け米海兵隊に抗議し、原因究明と再発防止を求めた。海兵隊は「調査を開始している」と回答したという。恩納村の長浜善巳村長、仲田豊村議会議長と宮里勇安富祖区長は17日に沖縄防衛局へ抗議する。

 工事を担当している業者は琉球新報の取材に対し、流れ弾によるものと見られる傷を受けた事実を認めた上で、詳細については「窓口は村や防衛局なのでお答えできない」とした。

 2008年12月にも、キャンプ・ハンセンに隣接する金武町伊芸で車のナンバープレートに米軍によるものと見られる流弾が刺さる事件が発生している。