【キラリ大地で】アメリカ 映画会社勤務のドーナ・オリバーさん


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いつか沖縄で音楽祭を

北米沖縄県人会の図書館でインタビューに応じるドーナ・オリバーさん(中央)、娘のティークさん(右)、弟のノーマン・フェウェルさん(左)=3月26日、米カリフォルニア州ガーデナ市

 ドーナ・オリバーさん(51)が北米沖縄県人会の会員になってからまだ日が浅い。1年前、弟のノーマン・フェウェルさん(49)が論文執筆のためにロサンゼルス郊外のガーデナ市の沖縄県人会を訪れた。その際、ノーマンさんがインタビューをした1人、琉球筝曲の照屋勝子師範に紹介されたのがきっかけだ。

 ドーナさんはサバンナ・ジョージア州立大学でアート・デザインを専攻。卒業後はロサンゼルスで映画会社に勤務、写真部に配属された。

 ドーナさんが写真に興味を抱くようになったのは、沖縄に住む祖母の仲松静子さんに高校卒業のお祝いにカメラをプレゼントされたのがきっかけだ。映画会社ではカメラアシスタントとしてスタートし、映画・テレビ部門のプロデューサーに抜てきされ、現在に至っている。

 ドーナさんの母は中城村出身の仲松武子さん、父はスコットランドとウェールズ人の血を引く米国人。沖縄との絆を強化するため、ミュージックフェスタを沖縄で開催する計画を練っている。去年の10月、沖縄で開催された「第6回世界のウチナーンチュ大会」に出席したドーナさんは、ミュージックフェスタ開催の可能性を確認した。

 ドーナさんはロサンゼルスの沖縄県人会が果たす役割を称賛する。そしてウチナーンチュ大会を経験し、「沖縄にルーツを持つ自分自身に誇りを持ち、ウチナーンチュとしてのアイデンティティーを胸にかみしめた。自分もその一端を担うことができるんだ」と語る。

 娘のティークさん(25)は米カリフォルニア大学バークレー校に在籍、アートを専攻している。一時期、空手を習ったこともあり、沖縄には数えきれないほど訪問している。現在は母のドーナさんと一緒に琴の練習に余念がない。

 ドーナさんの弟ノーマンさんは沖縄滞在が長い。名桜大学で上級准教授として教鞭(きょうべん)を執っており、妻は浦添出身の春美さん、娘と息子がいて与那原町に住んでいる。ノーマンさんは英国レスター大学院で応用言語学、米ジョージア州立大学院で行政学を専攻した。主要論文に琉球大学言語文化研究紀要などがある。アメリカの大学卒業後、休暇で沖縄を訪問したというノーマンさん。「数週間滞在する予定が、結局20年以上も住むことになった。名桜大学の学生は意欲と向学心にあふれており、このような環境で教えることは私の大きな喜びです」と語った。
 (当銘貞夫通信員)