【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、米軍キャンプ・シュワブゲート前で9日午前、機動隊が工事車両の基地内入れるために座り込みをしている約50人を強制排除する際、道向かいの歩道にいた人もゲート前に戻して一緒に排除した。
県統一連の瀬長和男事務局長(53)は工事車両が到着して排除が始まる前に、ゲートの道向かいに移動した。瀬長事務局長は集会の司会をしており、道向かいに移動後もマイクを握っていた。すると機動隊から「マイクを持って(座り込みの市民らを)扇動する行為はやめてください」と言われた。このため瀬長事務局長は「私のどんな行為、言葉が扇動になるのか教えてください」と問い掛けたが、機動隊は返答しなかった。その後、瀬長事務局長は機動隊によってゲート前に戻され、排除された。
瀬長事務局長によると、2週間前までは道向かいでマイクを持っている人は排除されなかった。「排除の理由を尋ねても、機動隊は答えてくれない。座り込んでいる市民は『基地建設を止めたい』という自らの意思でゲート前に集まっている。私の扇動で座っているわけではない」と語った。
午前11時までにコンクリートミキサー車4台を含む工事車両63台がゲート内に入った。一方、海上ではシュワブ内の工事現場「K9護岸」で砕石の投下を続けている。移設に反対する市民らは抗議船3隻、カヌー10艇で抗議を続けている。カヌーは午前11時までに浮具(フロート)を2回乗り越え、海上保安庁に一時拘束された。【琉球新報電子版】