【キラリ大地で】アメリカ 若手のリーダー的存在 ミシェル山城さん


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祖母と一緒に沖縄日本復帰45周年記念式典に参加したミシェル山城さん(右)=5月12日、米カリフォルニア州の在ロサンゼルス日本総領事公邸

祖母を鏡に笑顔輝く

 5月12日に在ロサンゼルス日本総領事公邸で開かれた沖縄日本復帰45周年記念式典で笑顔が美しい1人の若い女性に巡り会った。県系2世のミシェル山城さん(27)だ。ミシェルさんは中学・高校生だった10代の頃は、北米沖縄県人会のイベントや琉球舞踊公演、そのほかの奉仕活動に懸命に取り組み、県人会みんなのアイドル的存在であった。しかし、大学入学後は、勉学に励まないといけなかったのだろうか、県人会のイベントなどで、その姿をほとんど見ることがなくなった。

 2005年、ミシェルさんは夢に見た曾祖父母の出身地、沖縄を初めて訪れた。その年のジュニアスタディーツアーにアメリカ大陸からの5人のうちの1人に選ばれたのだ。ミシェルさんの曾祖父母は17歳でより良い生活を求めて故郷の久米島から南米ペルーへ移住した。だが、苦難の日々の連続だった。そんな中でもいつも、沖縄の民謡を口ずさんでいたという。

 ミシェルさんの両親は南米ペルーの首都リマ市生まれ。米国に一家で移住した後、ミシェルさんは生まれた。高校時代は演劇にテニス、海洋博物館のガイドと活発的だった。学校内に日本語部を創設し、部長を務めた。

 週末には眞境名愛子琉舞道場で琉球舞踊の練習に励んだ。琉舞「加那よう」など踊っていると、曾祖母が自分の手を取って一緒に踊っている様が目に浮かぶという。ラテンバンド「ディアマンテス」のアルベルト城間さんはミシェルさんの叔父に当たる。しかし、自身はBEGINのヒット曲「島人ぬ宝」が大好きだそうだ。

 ミシェルさんは現在、ロサンゼルスの日本人街「リトル東京」にある日米文化会館で、「キズナ」のコーディネーターをしている。南カリフォルニア大学で教育学を専攻したミシェルさんは、若い日系アメリカ人のリーダー的存在だ。5月12日に総領事公邸で開かれた沖縄の日本復帰45年を記念する式典に招待され、「祖母と一緒に参加できたことは一生涯の思い出となる」と胸を張った。
 (当銘貞夫通信員)