多角的に平和学ぶ 琉球新報記者が特別授業 那覇西高


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平和を創るために必要な視点を話し合う生徒=21日、那覇市の県立那覇西高校

 慰霊の日を前に平和を考える特別授業が21日、県立那覇西高校で開かれた。3年6組の生徒40人が受講した。さまざまな立場から平和を捉えるのが目的。生徒は6月13日付本紙から、故大田昌秀さんの沖縄戦体験や米軍基地問題に取り組んだ人生、戦後沖縄の人と米軍関係者の間に生まれた人々が受けた差別の体験を読み取った。生徒は自らが平和を創るため必要な視点をそれぞれ考え、発表した。

 授業は沖縄戦を取材してきた玉城江梨子記者と、沖縄とアメリカがルーツの戦後生まれの人々を取材した東江亜季子記者が行った。

 生徒は大田さんの足跡から、大田さんが目指した平和を「米軍基地がなくなって戦争をしないこと」と結論付けた。一方で、戦後の沖縄とアメリカ双方のルーツの人たちの記事を読み「彼らにとっての平和は互いを尊重し、差別がない共存社会」と想定した。

 東江記者はグローバル化やテクノロジーの発展を挙げ「みなさんが生きる社会は今後、違う国、異文化で育った人とより身近で接せざるを得なくなる環境になる」と説明した。長崎竜二さん(18)は「アメリカと沖縄にルーツのある人が平和学習でどう感じてきたかなど知らなかった視点を得られた。どのような視点で平和を考えたらいいのか分かった」と話した。

 「これまでイメージできていなかった平和を2、3の視点で記者の方から得られた。哲学的だった」と語ったのは高良弘大さん(17)。「沖縄とアメリカ双方のルーツの立場から考えた時『平和学習が一方的』という言葉が出たのは自分のなかで消化しきれなかったが、自分の考えがまだ浅いからかもしれない。一方で、沖縄とアメリカのルーツがある人の立場の問題は、これまで触れられなかったと思うが自分の親戚にもいるので、イメージしやすかった」と話した。