【名護】米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、沖縄防衛局が計画している周辺海域へのサンゴ幼生の流入調査に対し、名護市は20日に「同意できない」と回答した。防衛局が9日付で計画への意見を市に求めていた。防衛局は21日、調査実施許可を求め、許可権者の県に対して、市の意見を添えて国有財産法に基づく公共用財産使用協議書を提出した。
名護市は、調査に「同意できない」とした理由について(1)新基地建設を前提としている(2)建設によって環境に大きな影響があるとすでに繰り返し主張している(3)専門家の意見として、サンゴ幼生が流入、着床するかどうかはその年の潮や天候で変わり、調査で着床しなかった場所には幼生が来ないとはならず、この調査に意味がない-を挙げた。
沖縄防衛局によると、着床調査の計画は仲井真弘多前知事が2013年に承認した公有水面埋立申請書に事後調査として挙げられていた。大浦湾埋め立てによる影響を調査するため周辺海域でサンゴ幼生の流入状況を調べる。名護市安部から豊原にかけての海域に48台の「着床具」と、それを支える架台2機をそれぞれ設置する。約3カ月ごとに観察を行う。調査期間は県との協議が成立した日から、翌年3月31日までとしている。