泡盛自立経営へ提言 内閣府検討会、振興策で中間まとめ


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内閣府沖縄振興局の槌谷裕司局長(右)に中間まとめを手渡す小泉武夫座長=28日、内閣府

 【東京】内閣府沖縄振興局が設置した「沖縄の酒類製造業の振興策に関する検討会」(座長・小泉武夫東京農大名誉教授)は28日、泡盛製造業の自立経営確立に向けた中間まとめを槌谷裕司局長に報告した。

 経営基盤強化などをうたう取り組みはこれまでも業界団体や県などが展開してきたが、酒税軽減措置が続いたこともあり打開策に結び付いてこなかった。政府側が新たな施策を提示してあらためて危機意識を共有し、業界側の努力を促す狙いもある。

 まとめは(1)認知度向上・消費拡大(2)高付加価値化・ブランド化(3)経営基盤の強化(4)伝統文化―の項目に分け、泡盛振興に向けた多様な取り組みを盛り込んだ。

 消費拡大では泡盛離れが進む若者や女性をターゲットに、新商品として赤ワインの代わりに泡盛に果物を漬けた「泡盛サングリア」の開発を提案。経営面では金融機関を巻き込んだ支援・経営革新の仕組み、若手を育てる施策の検討などを促した。また、空手や琉球料理とともに泡盛のブランド化を図る戦略案や「泡盛情報発信センター」設置なども掲げた。

 小泉座長は「(泡盛の)消費量が落ちており、放置しておくと業界が廃れてしまう」と危機感を示し「一番重要なのは、酒造組合が真剣に取り組むことが大前提にあることだ」と強調。槌谷局長は「頑張る経営者をどう伸ばしていくかということで取り組んでいきたい」などと応じた。