歴史教科書への「集団自決」(強制集団死)の日本軍による「強制」の記述復活を求めて活動する「9・29県民大会決議を実現させる会」は3日から、写真展「沖縄戦『集団自決』消せない傷痕」を那覇市泉崎の県庁1階県民ホールで開催している。入場無料で、7日まで。
写真展では、報道写真家の山城博明さんや沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松さんらが撮影した写真約100点を展示。慶良間諸島での「集団自決」の際の傷が生々しく残る体験者や、遺骨収集で見つかった戦没者の遺骨や遺品などの写真が、沖縄戦の実態を今に伝える。実現させる会の玉寄哲永相談役は「写真展を通して、沖縄戦の実相を若い世代に知ってほしい」と来場を呼び掛けた。
会場を訪れた会社員の古堅勲さん(59)=読谷村=は「チビチリガマの話などで『集団自決』のことは知っていたが、体験者の写真を見たのは初めてだ。ひどいとしか言いようがない」と述べた。
「集団自決」の際にカミソリの刃で切られた傷痕が残る体験者の写真を見た30代女性=那覇市=は「命を絶つために肉親を何度も切りつけたのは、やった方もやられた方も苦しかったと思う」と切々と語った。