沖縄周辺のジュゴン1頭、姿消す 2年確認できず、普天間の移設環境委報告


この記事を書いた人 アバター画像 与那嶺 明彦

 防衛省沖縄防衛局が実施している沖縄本島周辺のジュゴンの確認状況調査で、これまでに確認していた3頭のうち、古宇利島沖や嘉陽沖に出現していた1頭が2015年6月24日を最後に確認できていないことが7日、分かった。

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画に関し、防衛局が設置した環境監視等委員会(委員長・中村由行横浜国立大学大学院教授)の第7回会合で報告された。会合で専門の委員に対し「死んだのか、遠くに移動したのか」と質問が上がり「現状では、この場所で見つかっていないという以上のところは分からない」との答えがあったという。

 防衛局は07年から17年まで10年間の航空機による確認状況を公表。17年は5月までに古宇利島で1頭が4回、嘉陽沖で別の1頭が14回確認され、2頭は「行動範囲からはずれた状況はみられなかった」とした。

 辺野古新基地建設現場で汚濁防止膜を設置した2月6日以降の「事後調査」では大浦湾、辺野古沖、古宇利島沖、嘉陽沖の4地点で調査。5月末までに大浦湾、辺野古沖では確認されず、古宇利島沖で4回、嘉陽沖で8回確認された。

 辺野古の工事区域内の計5カ所の砂浜でウミガメの産卵が確認され、周囲をフェンスで囲むなどの対応を取ったことも報告された。