【キラリ大地で】アメリカ 将来の県人会背負う決意 ジョセフ嘉益・神谷さん


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組踊に感動し、沖縄文化に傾倒

県費留学を終え、父で県人会長のエディーさん(中央)、母のジャネットさん(左)に三線を贈ったジョセフ神谷さん(右)=米カリフォルニア州のガーデナ市の自宅

 ジョセフ嘉益・神谷さん(30)は、北米沖縄県人会の文化部長を務めている。エディー神谷県人会長の一人息子で、ロサンゼルス生まれの4世だ。県人会のイベントを随時、会員制交流サイト(SNS)で発信し、世界の若者ウチナーンチュに報告している。米ロサンゼルスに根差した県人会がどのような活動をしているか、または世界のウチナーンチュと今後どのような連携を図っていけるかなどを考えている。

 近年、県人会の若者が中心になって、ヌチャーシーなどの相互社会活動やいろいろなイベントを通して、互いの親睦を深めている。沖縄から文化活動に携わっている人を招待したり、公演や映画の上映会も実施したりする。6月に行われたドキュメンタリー映画「沖縄 うりずんの雨」の上映と同映画の監督ジャン・ユンカーマンさんの招聘(しょうへい)はヘラルド・カメヤさんが行ったが、会場の準備や地域への新聞広報はジョセフさんら文化部が担当した。

 ジョセフさんはこれまで沖縄の文化、芸能にほとんど興味を持ったことはなかった。しかし、2009年の県人会100周年記念式典で上演された平田大一さん演出の「尚巴志」の組踊に感動。公演後間もなくロサンゼルスの照喜名朝一会に入会し、三線の練習に励んだ。ギターが弾けたので、弦楽器の三線にはすぐに慣れ、めきめきと上達していった。ジョセフさんは「芸能コンクールで新人賞を目指す」と意気込んでいる。

 16年7月~17年6月まで県費留学生として、県三線制作共同組合加盟店で那覇市安里の仲嶺三味線店で三線修理の研修をした。ロサンゼルスでは一世が持ち込んだ三線が古くなり、修理できる人がいない。ジョセフさんは「役に立てたらとの願いがそうさせた。三線の竿(さお)となる黒木についても学んだ。研修の様子はNHKや他のテレビ局でも放映されて、有意義な体験であった」と振り返った。

 北米沖縄県人会は新世代の会員が増え、事務作業も複雑化している。ジョセフさんは県人会の事務員としても働く。「今後、県人会のリーダーの1人となりたい」。将来の県人会を背負う決意を示した。

 (当銘貞夫通信員)

英文へ→Joseph Kamiya wants to carry the future of the Okinawa Association of America