ハワイ捕虜の名簿確認 沖縄県公文書館が所蔵


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦

 1945年の沖縄戦で捕虜となり、米ハワイに移送されたとみられる沖縄県人の名簿が、沖縄県公文書館(南風原町)に所蔵されていることが20日までに分かった。総合研究大学院大学で、ハワイ日系人の強制収容について研究する秋山かおりさんが2月、確認した。

 秋山さんによると、約3600人の氏名などが確認できるという。ハワイに県人捕虜が移送された理由や全容などは沖縄戦研究でも未解明な点が多く、秋山さんは「全容解明の糸口につながるかもしれない」と話している。

 名簿は、県公文書館が米国立公文書館から収集した。県公文書館は2002年から「憲兵隊長文書」のタイトルで公開している。名簿には氏名や階級、捕虜番号、住所などが英字で記載されている。

 秋山さんによると、名簿登録の日付は1945年の8月5日、8月11日、9月8日、9月14日、9月25日、10月16日、11月23日。

 ハワイに移送された捕虜を巡っては、現地で少なくとも12人が亡くなり、その遺骨は行方不明のままとなっている。6月に初の慰霊祭がハワイで開催されたほか、遺骨の早期帰還に向けて取り組むよう、遺族や元捕虜が県に要請している。

英文へ→A list of Okinawan POWs in Hawaii was discovered in Okinawa Prefectural Archives