理解低い「沖縄戦」 被爆地で同世代交流 北谷町派遣中高生報告


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広島での平和に関する聞き取り調査の結果について報告する(左から)金城愛梨さん、仲松恵那さん=17日、北谷町役場

 【北谷】北谷町の平和学習派遣事業で広島、長崎に派遣された町内の中高生による報告会が17日、町役場で開催された。被爆地で同世代との交流や平和に関する聞き取りを行った生徒らは、沖縄戦についての認識が低いことに驚いたと報告した。平和や沖縄での地上戦についての発信を地道に続けることを誓った。

 広島に派遣された北谷高2年の仲松恵那さんと金城愛梨さんは、6日の平和記念式典、元安川での灯籠流しに参加した後、灯籠流しを見に来ていた人たちを対象に平和についての聞き取り調査を実施した。「あなたにとっての平和とは」「平和のためにできることは」といった設問で、外国人を含む46人に調査した。

 報告会で2人は、「平和のためにできること」の設問に対し、「日本人は『戦争体験の継承』を挙げる人が多かった」と報告。一方で、外国人は「他国の尊重」や「政治家への働き掛け」といった答えが多かったという。

平和学習派遣事業に参加した高校生の発表を聞く中学生ら=17日、北谷町役場

 2人は「他国を尊重し理解することなど、平和維持のための活動の在り方はいろいろあるということが分かった」と話した。回答した外国人15人のほとんどが欧米人だったが、沖縄戦について知らない人が多かったという。

 長崎には北谷中2年の儀間歩睦さん、伏見香乃さん、桑江中2年のシンプソンタイラー真輝さん、仲村ひよりさんが派遣され、9日の平和祈念式典に参列。全国の中高生と一緒に学ぶ青少年ピースフォーラムにも参加した。

 仲村さんは、他府県の同世代が沖縄戦があったことは知っているものの、その内実が理解されていないことに驚いたという。「住民が巻き込まれたこと、集団死があったことなどはほとんどの人が知らなかった。もっとしっかり伝えていく必要があると思った」と話し、今後も平和をつなぐ活動に貢献していく決意を示した。