訪米日程の締めくくりに開催されたシンポジウムの分科会=22日、サンフランシスコ州立大学

 「今回の目的は、新基地建設を強行する日米両政府に対抗するため、沖縄の米軍基地の状況や反対運動をきちんと米国に伝えること。継続的なコンタクトができる人たち、カウンターパートナーを開拓するのが目的だった。それがある程度達成できたと思う」

 帰国前、辺野古に新基地を造らせないオール沖縄会議の第2次訪米団の伊波洋一団長(参院議員)は訪米の成果を強調した。

 訪米団には伊波団長をはじめ、副団長の糸数慶子参院議員と県議6人が議員チームとして参加。当選1期目ながら、既に2020年の大統領選で民主党候補者になるのではないかと期待されているカマラ・ハリス上院議員をはじめ、マーク・タカノ、ナンシー・ペロシ、バーバラ・リー、ジュディ・チュウ、ドリス・マツイの各下院議員の事務所を訪ね、関係者に沖縄の米軍基地問題を訴えた。

■面談調整は難航

 訪米前は15人の連邦議員との面談を目標に掲げたが、結果は6人。全て民主党議員で与党共和党議員との面談はなかった。

 アジア太平洋系アメリカ人労働者連合(APALA)総会での辺野古・高江支援決議を生かし、カリフォルニア州選出のアジア系米国人議員を中心に面談を試みたが、議員本人と会えたのはタカノ氏のみ。米軍の政策に影響を及ぼす上下院軍事委員会所属の議員との面談はなかった。

 日程調整は直前まで行われ、米在住の県出身者や、高里鈴代オール沖縄会議共同代表と20年余の交流がある「真の安全保障のための女性の会」のグエン・カークさんら市民団体が尽力した。

 だが、訪米団の議員らが主体的に米国の政治動向を把握・分析し、政治家レベルで議員事務所に働き掛ける強い動きには至らず、米政界との人脈づくりに向けて今後の課題が残った。

■若い世代に希望

 一方、サンフランシスコ大で開催されたシンポジウムをはじめ沖縄と米国を結ぶ若い世代の発信力が新たな希望となった。

 県系2世のエマ・トウメさん(カリフォルニア大バークリー校大学院生)は6月に那覇市内で開催された「軍事主義を許さない国際女性ネットワーク会議」に参加。「沖縄の基地問題をいかに解決するか、カリフォルニアでも研究者レベル、文化的なつながりを築こうと思った」と話し、シンポの開催や、環境浄化、再開発の問題を抱えるトレジャーアイランド海軍基地跡地の視察を調整した。同跡地の研究に取り組むサンフランシスコ大のレイチェル・ブリヘンスキー准教授(都市問題)ら米研究者と訪米団の橋渡し役となった。

 「外交政策を学んでいる学生として一つだけ伝えたい。私たち沖縄の先住民は新基地建設阻止を絶対に諦めない」。元山仁士郎さん(一橋大大学院生)はハリス議員の補佐官に英語で直接訴えた。国際感覚のある若い世代が自分の言葉で、米国の有権者や政治家とつながる「市民外交」に向け、新たな一歩を踏み出している。(座波幸代ワシントン特派員)