遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表が那覇市安里の安里カトリック教会で講演し、「子どもたちは自分の目で骨を見て、戦場だったことを実感する。なぜ殺されなければならなかったのか、考えるきっかけになる」と述べ、遺骨収集が沖縄戦の継承にもつながると意義を語った。
講演には教会の関係者約60人が参加した。具志堅さんは、2009年に那覇市真嘉比で行った遺骨収集の写真を見せながら「人間の骨がばらばらになって出てくる」と説明し、傷ついた遺骨から日米両軍の戦闘の激しさを実感したと語った。
当時、平和学習のため訪れた地元の小学生に「『あなたが骨を目で確認したことで、真嘉比が戦場だったと言えるんだよ。なぜこういうことが起きたのか、大人になった時、二度とこういう目に遭わないと言えるのか、考えてみてね』と話した」と述べ、戦後住民の手によって始まった遺骨収集は現在、沖縄戦を伝えるという意味でも大切になっていると指摘した。
一方、読谷村波平のチビチリガマが少年らによって荒らされた事件で、少年らが「心霊スポットに肝試しに行こうとした」という供述をしていることに触れ、「沖縄戦の継承ができていなかったのかと悔しい思い。もう一度、自分も含め、戦死者への向き合い方を考えなければいけないのかと思った」と述べた。
さらに遺骨収集を通じ気付いたこととして「人を殺すこと、人に殺されるのを認めること、自分で自分を殺すことは間違っているということ。それを強制されたのが戦争だ」と強調した。
英文へ→War remains recovery volunteer touts importance of keeping Battle of Okinawa lessons alive