提供施設立ち入りを 沖縄県が防衛局に要請 辺野古危惧種サンゴ


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 沖縄県は29日、名護市辺野古の新基地建設工事海域のサンゴの分布、生息状況などを確認するため立ち入り調査への協力を沖縄防衛局に求めた。29日、サンゴの特別採捕許可申請の手続きに向け、県との調整のため来庁していた沖縄防衛局の幹部に伝えた。県は今後正式に立ち入り申請を行う。沖縄防衛局の幹部はこの日、サンゴの特別採捕許可の申請に向け、環境監視等委員会での議論の内容を丁寧に県に説明したいとして、改めて説明の場を設定するよう県に求めた。

 県は4月にも新基地建設予定地への立ち入り調査を求めたが、沖縄防衛局は「防衛局が実施している調査結果を県に提示することで、サンゴの分布状況を確認することは可能」とし、立ち入りを認めなかった。辺野古新基地の工事海域は米軍への提供区域のため、立ち入りには米軍の許可が必要。

 沖縄防衛局は、名護市辺野古の新基地建設予定海域で環境省の「レッドリスト」に掲載された絶滅危惧種の「オキナワハマサンゴ」が発見されたことを受け、サンゴを工事海域外に移植するため県に特別採捕許可を申請する考え。新基地建設工事に反対している知事が許可を出すか否かに注目が集まっている。