【東京】米海兵隊垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの10万飛行時間当たりのクラスA事故率が9月末現在で3・27となり、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備された2012年9月末の1・65から約2倍に増えたことが8日、分かった。米側から通知を受けた防衛省が8日発表した。
普天間所属機が名護とオーストラリアで墜落するなど、過去1年に重大事故が集中したことで事故率が上昇した。政府はこれまで、オスプレイの事故率は他機種より「低い」として安全性を主張していたが、前提が崩れた。
普天間所属機は墜落事故の他、エンジントラブルによる緊急着陸なども相次いでいる。13年には、知事と全41市町村長が超党派で配備に反対し、安倍晋三首相に配備撤回などを求めた「建白書」を手渡している。事故率上昇で配備撤回を求める声が一層強まりそうだ。
米側は米会計年度末となる9月末で各年度の事故率を区切っており、死亡事故や被害総額が200万ドル以上となる事故を「クラスA」としている。
防衛省によると、オスプレイのクラスA事故は03年の起点から10件発生した。飛行時間は30万6千時間で、事故率が3・27となった。10件のうち3件が過去1年に発生した。9月末の米海兵隊航空機全体のクラスA事故率は2・72で、平均値も上回った。
普天間飛行場所属機については、昨年12月に名護市安部で墜落、今年8月にオーストラリア沖で墜落する事故を起こしている。いずれも17米会計年度に発生しており、事故率を押し上げた。
防衛省は事故率上昇について、米側からの聞き取りなどから、オスプレイが高度な能力があるために多くの任務に従事し、過酷な状況で飛行していることなどが理由だと説明した。機体の安全性には問題ないとして、米側には「安全面に最大限配慮するよう求めたい」とした。
英文へ→Serious accident rates increase for Ospreys over the last year