辺野古新基地、本部からも石材海運 防衛局、護岸工事加速狙う


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辺野古シュワブ傾斜堤護岸建設のため石材の仮置き場に利用される本部町の本部港(塩川地区)=9日午後、本部町

 【本部】米海兵隊普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡る新基地建設で、国頭村奥港に加えて本部港(塩川地区)からも護岸建設のための石材が海上運搬されることが9日、分かった。国頭村と本部町の採石場から近い港から搬出する。沖縄防衛局は、6日に新たに着工した「K1」と「N5」の護岸建設工事で、陸上の阻止行動を避ける形で奥港と本部港から大量に石材を海上輸送し、基地建設を促進させる狙いがある。

 本部港から石材を搬出する業者が、港湾用地の使用許可申請を10月12日に本部町に提出し、町が17日付で許可した。米軍キャンプ・シュワブの傾斜堤護岸建設の石材仮置き場(荷さばき地)として使用する。荷さばき地は2カ所あり、それぞれ6880平方メートルと275平方メートルで、期間は11月1日から30日まで。1カ月ごとの使用許可申請が必要。

 本部港は県管理の港だが、県が本部町に管理を委託している。岸壁の使用許可申請も業者から10月中に本部町に提出されているが、町は岸壁の使用許可申請は従来必要ないとし「(今回の)岸壁の使用は認める」と説明した。

 これまで石材は本部町と国頭村から陸路でシュワブに運ばれていたが、台風や基地建設の反対運動などで工期が大幅に遅れている。県も石材搬出のため国頭村奥港の岸壁使用を9月上旬に許可しており、海上輸送が始まることで基地建設が加速するとみられる。