辺野古新基地、奥港使用許可撤回も 知事「新たな事態」


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記者の質問に答える翁長雄志知事=15日午後6時37分、県庁

 米軍普天間飛行場の移設に伴う辺野古新基地建設の護岸工事で資材の海上搬入のために出した国頭村奥港の使用許可について県が、港を往来するダンプカーの粉じんや騒音など環境問題を「新たな事態」と位置付け、奥港の使用許可の撤回も視野に検討を進めていることが15日分かった。同日付で、奥港を使用した海上搬入を停止し変更承認の手続きを取るよう沖縄防衛局に文書で求めた。同日夕に会見した翁長雄志知事は「道路をあれだけの粉じんを上げながらダンプが通っていくことについての認識を奥の区民に伝えられなかった。港湾法との関係でどうなるのか、新たな事態が出てきているので、対処をしっかりやっていきたい」と述べた。

 県は9月に奥港の岸壁と港湾施設用地の使用許可を出した後、11月7日付で新たに「港湾施設使用許可に係る審査基準等」を設定した。新基準の中に「環境を悪化させる恐れがないこと」を盛り込んだ。この規定を適用して更新申請を認めないことなども含め許可の撤回を検討しているとみられる。

 海上搬送開始に対して翁長知事は「県との協議が調うまでは実施しないよう行政指導していたが、県の行政指導に従うことなく、拙速に海上搬入したことは極めて残念」と批判した。

 あらゆる手法を使って新基地を阻止するとしながら奥港の使用許可を出したことに、新基地に反対する市民から反発が高まっていることには「県民からの声は私自身がその声の気持ちと全く一緒。私自身もじくじたるものがある。公約違反ではないかというのも当然率直な気持ちとして出てくるのは否めない」と批判を受け止める姿勢を示した。

 埋め立て承認の撤回の時期について翁長知事は「私の責任でやる。明日か1カ月後かは、国家権力の大きなものと対峙(たいじ)しているときに時期まで明示しながらやるのは今考えていない」と述べるにとどめた。

英文へ→Considering revoking the permission to use Oku Port for the new Henoko base construction