16年度イモ生産20%増 5000トン超 害虫根絶 久米島で拡大


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 11月16日は「いい(11)イモ(16)」の語呂合わせで「いもの日」。沖縄県内の2016年度のサツマイモ生産量(推計値)は前年度比20%増の5040トンとなり、10年ぶりに5千トンを超える見込みとなった。13年にイモの病害虫アリモドキゾウムシの根絶に成功した久米島町で作付面積が約2倍、生産量が約1・6倍など大幅に増えたことが、全体を押し上げた。

 久米島町によると、13年度に作付面積は32・4ヘクタール、生産量は638トンだったのが、15年度には64・9ヘクタール、1032トンに拡大した。生産農家も59人から現在は95人にまで増えている。

 同町産業振興課は「アリモドキゾウムシの根絶でイモの品質が上がり、肥料がたくさん必要な葉タバコから転換してイモを生産する農家が増えた」と農家増の背景を説明した。生イモをペーストに加工する「久米島町甘藷(かんしょ)加工施設」が16年10月に完成したことも生産拡大に拍車を掛けている。

 県によると県全体の16年度の作付面積は前年度から31ヘクタール増えて294ヘクタールとなっている。「いもの日」は県産サツマイモの消費拡大を図ろうと09年から始まり、産地の読谷村や久米島町などで関連イベントが開かれるほか、県内の小中学校では16日前後にサツマイモを使った料理が提供される。