カーシェアで渋滞改善 沖縄県が20年度にも事業委託


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 沖縄県内で慢性化している交通渋滞の改善につなげようと、県が新たに、県営住宅や公民館など公共施設の用地や、モノレール・バスの結節点となる駅や停留所で、車を共同利用する「カーシェアリング」事業を2020年度にも始める方針であることが分かった。民間事業者に委託して実施する予定。駐車スペースを効率的に運用するとともに、自動車保有台数の増加を抑制するのが狙い。

 県営住宅や公民館など県内数カ所ほどを選定し、公共施設の用地の一部をカーシェアの事業者に貸し出す形で整備することを想定している。県営住宅では駐車場が不足しているところもあり、カーシェアを「セカンドカー」の代わりに利用してもらい、車の使用の抑制を狙う。

 公共交通と連携したカーシェアの整備も検討する。19年に沖縄都市モノレールの延長開業や、久茂地(那覇市)とコザ(沖縄市)を結ぶ基幹バスの導入を目指しているのに合わせ、駅や基幹バスの結節点でもカーシェアを整備する方針。公共交通を降りた後の二次交通としての利用を促す。モノレール駅は旭橋駅(那覇市)や新駅「てだこ浦西駅」(浦添市)など、バス停は伊佐(宜野湾市)やコザなどを想定している。

 本年度は、県の担当課とカーシェアの事業者とでニーズ把握などの意見交換を実施。19年度末までに、駐車場の確保や民間事業者の選定などを進め、20年度から実証実験、21年度から本格実施を目指す。

 県は、渋滞緩和に向けた自動車の効率的な利用や公共交通機関の利用を促進する「交通需要マネジメント(TDM)」施策を推進している。本年度に改訂した「TDM施策推進アクションプログラム」に、カーシェアなど重点的に推進する施策を盛り込んだ。(村上一樹)