辺野古・新護岸着工3週間 防止膜内 海水濁る


この記事を書いた人 琉球新報社

 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の移設に伴う沖縄県名護市辺野古の新基地建設で、新たな護岸工事が始まってから27日で3週間となった。辺野古崎南西側2カ所のうち、「N5」護岸は約100メートル、「K1」護岸は約50メートル造成されていることが確認された。実施計画では「N5」護岸が273メートル、「K1」護岸は216・6メートルまで延ばす。

採石が投下され、着々と工事が進むN5護岸=27日午後0時45分ごろ、名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸部(小型無人機で撮影)
沖に向かって延びるK1護岸。被覆ブロックが設置され、海面が白く濁る=27日午後0時半ごろ(小型無人機で撮影)
護岸工事現場の撮影地点

 両護岸では、投下された砕石の側面に被覆ブロックの設置も進んでいる。造成中の護岸周辺では、汚濁防止膜の内側で海水が白く濁っているのも確認された。辺野古崎の作業ヤードでは被覆ブロックが大量に積み上げられていた。

 この日、米軍キャンプ・シュワブゲート前から、過去最大規模となる計284台の工事車両が、砕石などの資材を積み、基地内に入った。

 奥港からは14日、海上運搬が初めて行われたが、それ以降は実施されていない。

 シュワブゲート前では約50人の市民が集まり、抗議活動を行った。京都府から訪れた中川勉さん(69)は「今回初めて参加したが、沖縄の現実は、本土にいるとなかなか見えにくい。実際に自分の目で確認して悲しくなった」と、工事が進む現状を嘆いた。