「平和の半世紀」味に刻む 山川酒造、50万円の50年古酒


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「限定秘蔵酒 かねやま1967」

 山川酒造(本部町、山川宗克社長)は12月1日、50年以上熟成させた古酒「限定秘蔵酒 かねやま 1967」(720ミリリットル、アルコール度数42度)を50本限定で発売する。1本50万円。「古酒の山川」として定評のある同社の商品でも最も長期間の熟成をへた古酒となる。市販の泡盛でも最も古いものになる。

 原酒は最も若いもので1967年の泡盛が仕次ぎされており、それより古い酒も含む。限定を示すシリアルナンバーをラベルに刻んだ。山川宗邦専務によると秘蔵酒は「注ぐとカカオやバニラのような甘い複雑な熟成香が立ち上がる。時間がたつほどに長い眠りから覚めたように上品な芳香が増す」。

 山川酒造の創業者・山川宗道氏は「どんな時でもとにかく頑張って古酒を寝かせておきなさい。いずれは古酒の時代になるから」と語っていたという。山川専務は「創業者の志を忘れず2代目が仕込み、3代目の現社長が手入れを続けた。百年古酒を夢見る山川酒造らしいこだわりの逸品に仕上げた」と自信を示す。

 戦前は長期間保存された古酒も多くあったが、戦争で多くが失われた。山川専務は「泡盛は“平和の酒”。50年古酒の販売は平和が続いてきた証しでもある。原酒をさらに寝かせ、100年古酒をつくりたい」と語った。

 問い合わせは山川酒造那覇支店(電話)098(868)3855。