【キラリ大地で】アメリカ 県系3世 物理学博士 ジャスティン・フェングさん


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OIST教官を目指す

沖縄科学技術大学院大学(OIST)での指導教官を目指す県系3世のジャスティン・フェングさん(中央)と父親のジョナサンさん、祖母の上原民子さん(右)=11月19日、米カリフォルニア州ガーデナ市のバプテスト教会

 物理学の博士号を取得し、恩納村にある沖縄科学技術大学院大学(OIST)での指導教官(メンター)の道を模索している県系3世のウチナーンチュがいる。ジャスティン・フェングさん(31)だ。米ロサンゼルスで旅行会社を営む糸満市出身の上原民子さんの孫である。

 フェングさんはロサンゼルス近郊の生まれで、父親のジョナサン・フェングさん(53)は台湾出身だ。カリフォルニア大学アーバイン校を2009年に卒業し、テキサス州大学オースティン校の大学院に進んだ。今年、修了し、就職活動中だ。3部門に就職願いを提出した。OISTもその一つ。祖母の民子さんの勧めがあったという。2、3カ月後には採用結果が出るようだ。

 OISTを訪問したフェングさんは「実にユニーク。一般の大学にある学部はない。これまで聞いた大学の在り方、あるいは自分が見てきたそれとは全然違っていて興味深いものを感じた」と印象を語った。フェングさんはセミナーを通して、自分の思いを学生らに伝えた。

 OIST技術開発イノベーションセンター審議役の照喜名一さんはフェイスブックで「大学院大学には多くの指導教官希望者が世界中から集まってくる」と明記している。

 フェングさんは中国語は多少理解できるが、日本語はほとんど話せないという。OISTの指導教官の職を得られたら、もっと日本語を勉強しなければいけないとの思いもあるようだ。
 (当銘貞夫通信員)