【名護】生態系や人に被害を及ぼす恐れのあるタイワンハブが名護市内で急増している。名護市によると、2012年度に30匹だった捕獲数が17年10月現在で345匹と10倍を超えた。生息が確認されていなかった市南側の世冨慶区や数久田区、喜瀬区などでも16年ごろから捕獲されており、生息域も拡大している。
名護市などによると、特定外来生物に指定されているタイワンハブは、1994年に初めて市内で発見された。96年には市北側の為又区付近での定着が確認された。2012年には大北区でも捕獲されるなど生息域拡大が問題になっている。
市南側の世冨慶区や数久田区によると、両区とも16年以降から住民が発見、捕獲することが増えた。世冨慶区では10件の発見や捕獲の報告が区民から上がっており、数久田区では17年だけで13件の報告が上がっている。数久田区では飼い犬がかまれる被害が出ている。人への咬傷(こうしょう)被害は現在のところ確認されていない。数久田区の比嘉幹和区長は「捕獲器の設置や草刈りなどで対策しているが心配だ。区の広報や区内放送で注意を呼び掛けている」と話した。
名護市は、発見した際は市環境対策課(電話)0980(52)0003(平日)か名護署(電話)0980(52)0110(夜間・土日祝日)に連絡するよう呼び掛けている。県立北部病院と北部地区医師会病院が血清を常備している。
<タイワンハブ>
台湾や中国大陸南部に生息する。沖縄には1970年代にハブ酒などの製品や興行目的で持ち込まれた。体長は平均80~90センチ。夜行性で動きが素早く、沖縄諸島のハブ類の中ではもっとも攻撃的。模様が枯れ葉に似ており見つけにくい。