沖縄の新基地反対に理解 グアム知事、海兵隊移転も協力姿勢


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翁長雄志知事(右)と会談する米領グアムのカルボ知事=12日、グアム(沖縄県提供)

 【グアム=仲井間郁江】米準州のグアムを訪問中の翁長雄志知事は12日、グアムのエディ・カルボ知事と面談した。カルボ知事は辺野古新基地建設計画について「グアムにも美しい海がある。負担軽減とは言え、そのように埋め立てることは私たちとしても理解しにくい」と述べ、多くの県民が新基地建設に反対していることに理解を示した。在沖海兵隊のグアム移転については「スピーディーに進めたい」と実現へ協力する姿勢を示した。会談は、グアム側の意向で非公開で行われた。

 県によると、カルボ知事は在沖海兵隊移転について「米国民として沖縄の負担軽減に応えたい。一日も早く受け入れたい」と述べた。現在、米政府が外国人労働者への就労ビザ発給を制限しているため、グアムで建設工事を担う外国人労働者が大幅に不足している。カルボ知事は同ビザ問題が在沖海兵隊移転促進の大きな障害になっているとし、米政府にビザの早期発給を要請していることなどを説明した。
 翁長知事は会談後「カルボ知事の移転をスピーディーに進めたいという言葉を大変心強く感じた」と述べた。
 県は現在、普天間飛行場の移設先として、辺野古新基地によらない県外・国外移設の可能性を検討している。今回の翁長知事のグアム訪問は、普天間飛行場の移設先としてのグアムの可能性を探る意味もあるのではとの見方が一部で上がっているが、翁長知事はその可能性について否定した。カルボ知事との面談でも言及していないとした。
 知事は同日午後、セスナ機でアンダーセン空軍基地や海軍基地アプラ港などを視察した。