ギョッ 魚が〝そば〟に! シイラ、エソが原料 来月にも沖縄県内販売へ 今帰仁・北山商店開発


この記事を書いた人 大森 茂夫
魚肉を使った麺を開発した北山商店の上間琢巳さん=18日、今帰仁村今泊の北山商店

 沖縄県今帰仁村今泊で日用品や食料品を販売する北山商店が、原料に魚肉を使った麺製品を開発した。国産のシイラとエソを主原料にしており、沖縄の塩などを使って味付けしている。製品は低カロリーで、健康志向の消費者のほか、魚の骨を苦手とする子どもたちに食べてもらうことも視野に入れる。開発を担当した同商店営業担当の上間琢巳さん(34)は「北山商店の新たな商品として広めていきたい」と意気込む。

 シイラとエソの魚肉を粘り気が出るまで練り込み、食べやすい長さに加工して作られる。製造過程に手間を掛けていて「大手の企業がやらないような商品」(上間さん)となっている。骨がない部分の魚肉を加工して麺にしていることから、小さな子どもでも安心して食べられる。

 上間さんは大学卒業後に県外で就職しており、2017年4月に今帰仁村へ戻る際に新たな商品を開発することを思い立った。魚肉を使った新しい加工食品を生み出そうと考え、沖縄そばになじんでいる県民に食べてもらえるよう麺製品を作ることを決めた。食品開発の仕事に携わった経験はなく「ゼロからのスタートだった」と語る。

 宮崎県の水産加工場と共同で開発・製造に取り組んだ。製品の完成後、父親が経営する北山商店の店頭などで販売を始めた。今後はパッケージのデザインを完成させて、2月頃までに県内のスーパーなどで販売することを目標にしている。

 魚肉を使った麺製品を足がかりに、今後は新たな食料品も開発していく。上間さんは「北山商店は地域の人たちに支えられて今までやってきた。今帰仁から商品を売り出して、今帰仁の名前の認知度も上げていきたい」と話した。