辺野古崎、名護市教委が来月調査 遺物出土なら工事影響


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文化財調査が行われる米軍キャンプ・シュワブ内の「長崎兼久遺物散布地」付近。手前は「N5」護岸=2017年12月28日、名護市辺野古(小型無人機で撮影)

 新基地建設工事が進む名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ内の辺野古崎突端部にある「長崎兼久遺物散布地」の陸上部分で名護市教育委員会と沖縄県教育委員会が2月にも文化財調査を始めることが25日までに分かった。同遺物散布地は埋め立て工事で建設される「N3」護岸と「N4」護岸の予定地に隣接している。調査に長期間かかったり、考古学的に重要な発見があったりした場合は工事に影響を与える可能性もある。

 文化財保護法に基づく調査で、調査が終了するまでは同遺物散布地の範囲内で工事はできない。名護市教委は調査期間を「調整中」としている。

 集落跡などの遺構などが見つかった場合、同法に基づき、事業者である沖縄防衛局と名護市が保存の是非など遺構の取り扱いで協議する必要がある。

 同遺物散布地での陸上部の調査は2016年7月の遺跡認定以降では初めて。同遺物散布地付近を含め、新基地建設で埋め立てられる水域では昨年4月から、名護市教委などが文化財調査を実施してきた。

 同遺物散布地付近での工事予定について、防衛局は「文化財の取り扱いについては、調査の結果を踏まえ、地元教委と調整の上、関係法令に従い、適切に対応する予定だ」と述べるにとどめた。

 県教委は2016年7月に同遺物散布地をシュワブ内8カ所目の遺跡として認定。遺跡認定前に名護市が実施した調査では同遺物散布地周辺から、近世琉球期(1609~1879年)や近代の陶器の破片などが見つかっている。本島東海岸では初めて、船のおもりに使う琉球王朝時代の「碇(いかり)石」も発見されている。

 平敷昭人県教育長は「文化財保護法に基づき、淡々と調査を進めたい」とした。(塚崎昇平)

英文へ→Nago City Board of Education to conduct archeological survey in February on Henoko Peninsula, possible affecting base construction