平和語る新資料 糸満・県平和祈念資料館 収蔵品展始まる


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砲弾の破片や軍服など、当時の日本や沖縄の様子を伝える資料=1日、糸満市摩文仁の県平和祈念資料館

 【糸満】2015、16年度に、糸満市摩文仁の県平和祈念資料館に寄贈された147点の資料を公開する「新収蔵品展―モノからつなぐ記憶―」が1日、同資料館1階の企画展示室で始まった。午前9時から午後5時まで、入場無料。4月10日まで。

 沖縄戦の資料では、久米島で住民虐殺事件を引き起こした鹿山隊の武装解除が撮影された写真の原版や、沖縄戦で亡くなった母親の遺骨から出てきた砲弾の破片などが、寄贈者の証言や当時のエピソード、時代背景に関する説明と共に展示されている。

 また、満州から引き上げてきた男性が持ち帰った両親と妹の髪の毛や爪を入れたジュラルミン製のトランクケースや、南洋諸島にあった尋常小学校での証書類など、沖縄以外の地域での太平洋戦争の様子が伝わる資料も展示されている。

 県平和祈念資料館の棚原信主査は「現物を見て感じてもらい、平和について考え直す機会にしてもらいたい」と話した。同資料館では、沖縄戦や太平洋戦争に関する資料の寄贈を常時受け付けている。問い合わせは同資料館(電話)098(997)3844。ファクス098(997)3947。