小野寺防衛相、米側へ伝達明かさず 辺野古の地質調査、活断層指摘


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【東京】小野寺五典防衛相は9日の会見で、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、防衛省が委託した地質調査の報告書に活断層の存在や地盤の軟弱性が指摘されていることを米側に伝えているか問われたことに対し「事業の実施は米側とも緊密に連携しているが、相手側との関係もある。米側とのやりとりは答えを差し控えたい」と述べ、明らかにしなかった。

 防衛省は報告書をまとめた民間業者が古い文献を参考にまとめたとして、新しい文献では活断層の指摘がないとしている。小野寺氏も「政府としては辺野古沿岸域に活断層が存在するという認識は持っていない」とこれまでの見解を重ねた。

 軟弱地盤については現在実施中のボーリング調査を踏まえて判断するとした。

 米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機のアンテナ落下に関する日本側への通報遅れを巡り、米側が部隊から在日米軍司令部を通して日本側に伝える経路とは別に、地元防衛局を通じて地元自治体に通報する経路を認識していない可能性が浮上している。小野寺氏は「2つのルートで報告することになっている」と通報手順の順守を改めて求めた。【琉球新報電子版】