戦争証言 7ヵ国語に ネットで公開へ 沖縄県平和祈念資料館


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 沖縄県平和祈念資料館は10月にも沖縄戦や南洋群島での戦争を体験した計70人の証言を7カ国の言葉に翻訳し、声の吹き替えと字幕を入れた多言語の証言をインターネット上のホームページで公開する。県の平和発信強化事業の一環。沖縄戦体験を通し、戦争の悲惨さや教訓を世界へ広く発信する。関連イベントとして神奈川県の川崎市平和館や大阪府のピースおおさか(大阪国際平和センター)での巡回展も予定している。

 県平和祈念資料館の2017年度第2回運営協議会が9日、糸満市摩文仁の同館で開かれ、18年度の事業計画の中で多言語化した証言の取り組みについて了承した。

 証言の多言語化で翻訳する外国語は英語、中国語(北京語)、韓国語、スペイン語、マレー語、フランス語、ドイツ語の7カ国語。外国人の入館者も増加する中、多言語で沖縄戦について発信する需要が増しており、海外からの新たな来館者の増加にもつなげたい考えだ。

 同館の古謝将史学芸班長は「人間が人間でなくなったのが沖縄戦の実相だ。体験者の証言を通し、世界中に悲惨さを知ってもらうきっかけになればと思う。平和祈念資料館に足を運んでほしい」と語った。