県立北部病院 夜間救急外科を制限 医師不足で週2日に


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県立北部病院で4月1日から救急外科受け入れ制限を知らせる張り紙=16日、名護市大中の県立北部病院

 【名護】名護市大中の県立北部病院(知念清治院長)が、医師不足のため4月1日から夜間(午後5時~翌日午前8時)の外科救急診療を、現在の週4日から週2日に制限することが16日、分かった。県立北部病院は2017年8月にも外科医が退職し診療制限が行われた。北部病院の久貝忠男副院長は「医師の後任が見つからず悪循環に陥っている」と述べた。

 現在4人いる外科医のうち1人が3月末で退職し、3人になる。外科の一般診療は現状維持できるように検討中だが、医師不足のため今後は一般診療も制限される可能性が出てくる。

 さらに産婦人科の医師も現在の4人から4月1日から3人になり、6月1日から2人に減ることが決まった。これまで緊急性の高い妊婦などは受け入れてきたが、3月からは受け入れを断っている。県立北部病院は「本格的に患者を受け入れられない状況が出てきた」と話している。

 県立北部病院は、昨年8月、外科医が1人退職し、外科の日中の一般診療だけでなく、夜間緊急外来を週7日から週4日に制限した。2月1日からも眼科が休診しており、短期間での診療制限や休診が著しい。

 外科医の退職により夜間当直の1人当たりの回数が増加することになり、医師の過重負担は避けられない状況だ。

 久貝副院長は「北部地域の医療体制が崩壊する可能性がある。外科医が不足していくと地域医療に支障を来すことは間違いない。人材確保を最優先にしているが、改善するめどは立っていない」と話した。
(阪口彩子)