尖閣諸島周辺の漁業権を巡る日台漁業取り決め(協定)に基づき、日本と台湾双方の当局者が2018年度の操業ルールを話し合う日台漁業委員会が15、16の両日、台北市で開かれた。マグロの好漁場である八重山諸島北方の「三角水域」の一部で操業ルールが見直され、はえ縄漁船間隔を原則4マイル(7・2キロ)とする日本漁船の操業方法を4月から7月末まで試験的に行うことで合意した。
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日本漁船の操業ルール適用水域は三角水域のうち、東経123度以西と、東経124度以東かつ北緯25度15分以南の水域だ。操業する漁船間隔を4マイルとすることではえ縄が絡まるなどの漁具被害を抑えられ、安全操業ができる。
投縄回数は1隻につき1日1回。投縄方向は起点から北向きとし投縄開始時間は午前5時以降で、正午以降に揚縄を開始し速やかに完了させることとした。
日本の操業ルール適用水域内で台湾漁船が操業する際は、事前に周辺で操業している日本漁船と連絡を取り、台湾漁船が操業できるかを確認することも盛り込まれた。
三角水域のうち東経123度~124度の間については台湾漁船のルールが適用され、船の距離は1カイリ(約1・8キロ)とすることなどが明文化された。
従来は台湾側漁船が夜間に操業し、日本側漁船が昼間に操業する「昼夜交代制」が三角水域の一部で適用されていたが、日台双方の操業タイミングが重なって縄が絡むトラブルが懸念され、日本漁船が操業しづらい実態があった。
久米島西側の「特別協力水域」では日本側と台湾側の操業ルールが適用される水域を分けることでトラブルなく操業できている。同様のルール設定を八重山北方の三角水域でも適用することで、日本漁船の安定操業につながりそうだ。
県漁業協同組合連合会の上原亀一会長は「当初求めていた水域より小さくなったが、好漁場で日本漁船が安全操業できる水域を確保できたことは評価できる。一歩前進した」と意義を語った。
操業ルールは毎年、マグロ漁期前に見直すことになっており、委員会の開催は今回で7回目となる。