広島の被爆者ら6人が17日、那覇市の養秀会館で、沖縄戦に動員された元学徒と交流した。元白梅学徒の中山きくさん(89)と、鉄血勤皇隊に動員された與座章健さん(89)がそれぞれの体験を語り、「平和を願う広島と沖縄の絆を強めていきたい」と共感し合った。
長い間戦争体験を語れなかったという中山さん。夫の転勤で広島県や長崎県で暮らした後、語り継ぐ覚悟が生まれたと明かした。沖縄戦時、野戦病院壕で負傷兵の手足を切断する手術に立ち会った様子などを語り「仲間たちを含め、たくさんの命を奪った戦争。どんなことがあっても二度と起こしてはならない」と訴えた。
與座さんは旧県立第一中学校(現首里高)4年で動員された時から、食糧不足に陥って除隊されるまでを振り返り「平和を築くためにはどう行動すればいいか、いつも思っている」と今の心情を語った。
真剣に聞き入っていた広島市の末政サダ子さん(84)は、爆心地から1・8キロで被爆し、現在は語り部の活動をしている。「命が大切だというのは広島も沖縄も同じ。今回の経験を持ち帰り、皆さんの思いも話させていただく」と語り、感謝した。