沖縄の学生、進学先「経済を考慮」31% 親は子の意向尊重80%


この記事を書いた人 Avatar photo 島袋 貞治

 沖縄振興開発金融公庫とシンクタンクのブルームーンパートナーズ(那覇市)は20日、共同で実施した大学進学に対する親と学生の意識調査の結果を発表した。希望進学先について親の8割が「子どもが希望した進学先」と回答し、経済状況よりも子の意向を重視し、親と学生の希望はおおむね一致する結果だった。学生側が進学先を選択する際の理由は「学力的な理由」(50・0%)に次いで「経済的な理由」(31・6%)が上がっており、家庭の経済状況を考慮していることがうかがえた。

 調査は沖縄公庫の教育ローンを利用している保護者に調査票を送付し、学生は29歳以下で県出身の大学生と社会人を対象にウェブ上でアンケートを実施した。経済状況にかかわらず子の就学機会を向上させていく金融的な支援を進める上で、進学や教育ローンに対する親と学生の意識の違いを比較分析した。

 親向けのアンケートは送付1492件のうち有効回答は375件、学生向けは大学を卒業した社会人118サンプル、現役学生78サンプルだった。

 教育ローンは、返済について「将来、収入が減少することがあったら不安になる」との回答が親側、学生側ともに最も多かった。親の70・4%は「将来の進路の夢を実現するために必要」と回答する一方、教育資金の借り入れ意向は「できればしたくない」が37・1%と最も高く、全体の48・3%が「利用したいが返済が大変だ」と回答するなど返済の負担感が大きい。

 沖縄公庫の比嘉努調査課長は「政策金融で金利優遇があるといっても、所得にかかわらず返済の不安が拭えないことが分かった。学生の教育環境が制約されることがないよう、官民の取り組みによるさらなる拡充を期待したい」と述べた。