渡具知武豊名護市長は23日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設工事について「自治体の長として法令にのっとって対応する」と明言し、移設に反対していた稲嶺進前市長時代に止まっていた手続きに今後協力していく考えを示した。それに基づいて、沖縄防衛局は米軍再編事業の進展に応じて支給される再編交付金を2017年度分から名護市に交付する。名護市に再編交付金が交付されるのは、約3億7700万円が交付された2009年度以来となる。
名護市役所で渡具知市長と面談した防衛局の中嶋浩一郎局長は「これまでの市長の発言を勘案すれば再編交付金の交付ができるのではないか」として、改めて市長に辺野古移設に関する考えを確認した。その上で「行政の長として法令で定められた要件に従い判断していく旨の話があり、再編交付金の交付要件に当てはまるので今後交付手続きを進めたい」と記者団に答えた。
中嶋局長によると、防衛省は17年度分から交付する考えで、18年度に繰り越す手続きを進める。
渡具知市長は「給食費の無償化などいろんな公約を実現するためには財源が必要になるので活用していきたい」と答えた。渡具知市長はこれまで辺野古移設について「容認でも反対でもない」として態度を明確にしてこなかったが、移設工事の手続きを「対応していく」と答えたことで基地建設工事が今後、加速するとみられる。