泡盛出荷 13年連続減 3年連続2万キロリットル下回る


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 沖縄県酒造組合(玉那覇美佐子会長)は6日、2017年の琉球泡盛の総出荷量(アルコール度数30度換算)が前年比5・3%減の1万7709キロリットルとなり、13年連続で減少したと発表した。出荷量は04年のピーク時には2万7688キロリットルに上ったが、3年連続で2万キロリットルを下回り、玉那覇会長は「業界としても重く受け止めている」と語った。

 出荷先の内訳は県内が同6%減の1万4956キロリットル、県外が1%減の2753キロリットルだった。そのほかに海外は8キロリットル減の28キロリットルだった。減少幅は前年の2・9%より拡大した。出荷量の減少について酒造組合は、国税庁が酒類の公正な取引に関する基準を見直した影響で薄利多売となっていた価格を値上げしたことが一つの要因とした。

 総生産量は同10・3%減の1万7822キロリットル。人気が高い20度以下の低アルコール品へ商品構成がシフトし、30度に換算した場合の生産量が減ったとの見方を示した。

琉球泡盛の出荷量を発表する県酒造組合の(左から)土屋信賢専務理事、玉那覇美佐子会長=6日、那覇市の県酒造組合

 同時に発表した酒造所の経営状況のまとめによると、県内全酒造所45社を合計した16事業年度の売上高は同5%減の153億200万円となった一方、営業利益は値上げなどの影響で同2倍超の3億5200万円となり、営業利益率は同1・2ポイント改善して2・3%となった。

 また、営業赤字となった酒造所は16酒造所あり、全体の3割を超えた。

 県は17年度から、厳しい経営が続く酒造所に中小企業診断士を派遣し助言・指導することで経営改善を促す事業を始め、業界の底上げを図っている。酒造組合は県内全酒造所の泡盛が試飲できる「第1回島酒フェスタ」を14、15日に那覇市の沖縄セルラーパーク那覇で開き、魅力発信に努めていくとした。