平和の尊さ伝えたい 元全学徒の会結成


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「元全学徒の会」結成大会であいさつをする共同代表の與座章健さん(左端)=18日、那覇市首里の養秀会館

 沖縄戦に動員された県内21の師範学校や中等学校の元生徒が18日、「元全学徒の会」を結成した。那覇市の養秀会館で結成大会を開き、県立第一中学校の元学徒で、共同代表に就任した與座章健さん(89)が「生き残った私たちの力を結集し、戦争の恐ろしさ、平和の尊さを伝える使命を果たしたい」とあいさつした。糸満市摩文仁にある「全学徒隊の碑」の隣に説明板を設置し、沖縄戦で犠牲になった全ての学徒の人数を刻字するよう、県に求めていく。

 結成大会には元学徒33人を含む70人が参加した。與座共同代表は「戦没者数を刻字することで、戦争の姿をより鮮明に後世に残すことができる」と強調した。今月中にも刻字について県議会に陳情書を提出するという。

 同会によると、21中等学校の戦没者は1970人。各学校の慰霊碑や元学徒の証言資料などを基に、18日までにまとめた。県立宮古中学校など3校分は「精査中」としており、今後も増える可能性がある。同会は昨年3月に県が建立した「全学徒隊の碑」の隣に説明板を設置し、学校ごとの犠牲者数と総数を刻字するよう県に要請する。年内の説明板設置を目指すという。

 大会では「沖縄戦で戦没した学友を慰霊し、平和の尊厳を世に訴え、その擁護確立に努める」などとした会則や役員人事を承認した。