沖縄県失語症友の会(ゆんたく会)の解散総会が22日、那覇市のパシフィックホテル沖縄で開かれ、失語症の当事者や家族、支援者らが集まった。前身の組織を含めて19年、当事者、家族らの“心のよりどころ”だった。会の役割が一区切りすることに、参加者からは「寂しいね」「続いてほしいね」との声が上がった。最後は「今日の日はさようなら」を全員で合唱。会員らは「また会う日」を約束し合い、会の歴史に幕が下りた。
失語症の当事者や家族らで組織したゆんたく会は1999年4月、脳卒中等リハビリテーション推進協議会の失語症部会として活動を始め、2008年に、県失語症友の会に移行した。月2回の言語訓練やバス旅行などを通じて交流を深めてきたが、会員や家族の高齢化によって活動が困難になっていた。
総会は、亡くなった会員への黙とうから始まった。会員らは食事を取りながら、互いの近況を報告。8年前に他界した夫・榮徳さんと共に会を立ち上げ、支えてきた事務局長の大城貴代子さん(78)は「続けることができたのは会員の協力があったから。絆はこれで最後ではない。また会える」と語った。照屋寛会長(82)は「カラオケが一番のリハビリになった。続いてほしかったね」と残念そうに語った。
失語症の夫・芳正さんと会に参加した金城徳子さん(67)は「会員同士で会うだけで心が和む。勇気を頂き、家族も心のよりどころだった」と語った。
会の役割だったカラオケ大会の企画は、失語症の人を対象にしたデイサービス施設「くばの葉」、ゆんたくサークル(言葉の教室)は会員の上田隆史さん、典子さん夫妻が引き継ぐことが報告された。