【東京】名護市辺野古の新基地建設を巡って沖縄防衛局が2014年に発注した工事について、海上警備業務を請け負った警備会社が約7億4千万円を過大請求していたことが24日までに分かった。内部通報によって発覚した。過大分は契約を見直し減額されたが、防衛省はその後も昨年まで同じ警備会社と別の業務契約を結び、その積算額も会計検査院から警備会社の過大請求があったことを指摘されている。過大請求を把握した後も「言い値」に応じる形で契約を続けていたことになる。
小野寺五典防衛相は同日の会見で「現在は適切に対応しているが、当時は、やはり適切ではなかった」と釈明した。
警備会社は東京都渋谷区のライジングサンセキュリティーサービス。海上警備については、沖縄防衛局が14年6月に発注し、大成建設が約59億6千万円で落札した仮設工事の業務契約に含まれ、同社がライジング社に委託した。ライジング社はこの警備費用を水増しして算定していたとみられる。
防衛省によると、16年1月にライジング社の関係者から不正に関する情報提供があり、過大積算が発覚。同3月に沖縄防衛局と大成建設が過大分の約7億4千万円を精算し、契約を見直した。
沖縄防衛局は15~16年に発注した別の海上警備業務でも、ライジング社のみの見積書を採用し契約している。これについて会計検査院が昨年11月、警備員の人件費約1億9千万円分が過大積算だったと指摘し、防衛省に改善を要求した。
ライジング社は本紙の取材に対し、大成建設との委託内容について暫定的な借受金として処理していたと説明。最終的に「精査は適正に行った」として、過大請求ではないとの見解を示した。