県の新沖縄発展戦略 「アジアの橋頭堡に」 中間報告 日本経済再生へ役割


社会
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新沖縄発展戦略の中間報告について説明する富川盛武副知事=9日、県庁 

 2022年度以降の沖縄振興計画の策定に向け、県の富川盛武副知事は9日、県庁で会見し、新沖縄発展戦略の中間報告を発表した。富川副知事は同戦略の目的を「沖縄がアジアの橋頭堡(ジャンプ台)としての役割を果たし、日本経済のさらなる発展に貢献していく」とし、世界水準の拠点空港化や国際的なクルーズ拠点の形成、鉄軌道の導入など9項目を課題や検討項目として挙げた。

 また「『これまで50年続いてきた沖縄振興計画がなぜまた10年必要か』というテーマはハードルが高い。日本経済の再生につながるシナリオでいかないと次の振計は難しい」と説明し、アジアの“ジャンプ台”として沖縄が役割を果たすことが、日本に好況をもたらすことの意義を強調した。

 現行の第5次沖縄振興計画(沖縄21世紀ビジョン)は21年度末に期限切れを迎えるため、県はポスト沖振計を見据えて本年度、現行計画の総点検を行うと同時に新沖縄発展戦略の作成を進めている。

 中間報告では、今後10年、20年先の将来に向けて沖縄が発展していくためには急成長するアジア経済のダイナミズムを沖縄経済に取り込む必要があるとして(1)ビジネスのジャンプ台(2)事象・現象の変化への対応(3)フロンティアとして期待される展開の方向―を示した。空港や港湾などのインフラ整備、先端産業の集積と発展などを盛り込んだ。

 具体的な課題や検討項目には、那覇空港を世界水準の拠点空港として機能強化すること、新たなクルーズ船岸壁や旅客ターミナルの整備の促進など国際的なクルーズ拠点の形成、鉄軌道導入など9項目を挙げた。

 富川副知事は戦略を翁長雄志知事に説明し、翁長知事から「こういう方向で進めてもらいたい」という回答を得たと述べた。秋ごろまでに最終的な戦略をまとめたい考えだ。