「家族差別」検証を ハンセン病市民学会 現状報告し活動方針


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那覇市で開かれた「ハンセン病市民学会」の交流集会=日午後

 全国のハンセン病の回復者や支援者らでつくる「ハンセン病市民学会」の「第14回総会・交流集会in沖縄」が19日、那覇市の県男女共同参画センター「てぃるる」で始まった。20日まで。19日は県内外から約500人が参加し、総会で啓発・歴史伝承や退所者・家族の支援などに関する七つのプロジェクトチームを立ち上げることなどを盛り込んだ2018年度活動方針を決議した。19年5月には宮古島や八重山で総会・交流集会を開く方針も確認した。

 県内での開催は2011年以来、7年ぶり2回目。差別のない平和で豊かな世界を目指す「みるく世向(ゆん)かてぃ~差別に屈しない」がテーマ。総会では17年度に同学会が全国の国立と私立のハンセン病療養所の全14園に実施したアンケート調査の結果を発表した。来園者に自身の体験を講話形式で語る活動を担う入所者や退所者は39人と少数にとどまった。療養所や自治会として受け入れた来園者は児童生徒や学生、教員や行政、医療関係者ら計4万9881人に上り、訪問者数に比べて語り部が不足している現状が報告された。総会で森和男共同代表は「沖縄は本土とは違った事情もある。家族の差別の問題など市民学会でも検証し解決のために努力をしていかねばならない」とあいさつ。現地実行委員会の金城雅春共同代表は「これまでになかったような市民学会になる。ぜひ一緒に学べたらと思う」と20日の参加も呼び掛けた。
 20日は午前10時から名護市の沖縄愛楽園で家族訴訟や退所者支援などをテーマに四分科会が開かれる。