県議会与党の会派おきなわを中心に翁長雄志知事を支持する地方議員や企業などは27日、「翁長知事を支える政治・経済懇和会」を発足させた。翁長氏再選に向け、県政与党の革新政党と距離をおく経済界や保守中道系議員の新たな受け皿として、4年前の選挙で保守系支持者の選挙母体となった「ひやみかちの会」の再現を目指す。
知事選に向けては、県政与党などは前回知事選時にも発足させた調整会議を新たに結成し、翁長氏を擁立する方針を決定した。ただ、辺野古新基地建設の是非を問う県民投票を巡り、オール沖縄会議から脱会した金秀、かりゆしグループが参加していないなど、「革新色が強まっている」(与党県議)との不満が一部の県議や経済界から噴出している。会派おきなわが立ち上げた「懇和会」の発足は、そういった「オール沖縄」態勢に不満を持つ市町村議員や経済界を巻き込むことが狙いだ。4年前に調整会議が担った保守と革新の「ブリッジ共闘」を図る。
27日の結成総会には当初の目標100社を超える107社の企業が参加した。金秀、かりゆしのほか、27日現在、那覇市、南城市、北谷町、西原町、嘉手納町、北中城村、中城村、読谷村の首長も加盟している。さらに、保守政治家として、超党派の枠組み実現に貢献した安慶田光男、浦崎唯昭両前副知事にも参加を呼び掛けていて、懇和会関係者によると、参加に前向きな意向を示しているという。
ただ、翁長知事は膵臓(すいぞう)がんが発覚したことで、2期目出馬に黄色信号がともっている。総会終了後に会見した赤嶺昇会長は「会の名称は『翁長知事を支える政治・経済懇和会』なので、翁長知事が出ないという想定は全くしていない」と強調した。
懇和会幹部の一人は「会の趣旨に賛同するが、翁長知事の体調を様子見する企業も多い。ただ、翁長知事を支援するための受け皿を求める企業は多く、参加企業はもっと増える」と自信をのぞかせた。