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【キラリ大地で】アメリカ パシフィカ大学院大博士課程 東新川藤佳さん(浦添出身)

基地と差別 心理研究

 


北米沖縄県人会の「カジマヤー高齢者クラブ」祝賀会でボランティアをする東新川藤佳さん=5月21日、米カリフォルニア州の北米県人会ヤマウチ・ビル

 米カリフォルニア州サンタバーバラにあるパシフィカ大学院大学の深層心理学博士課程に在籍する浦添市出身の東新川(ありあらかわ)藤佳さん(31)は、沖縄コミュニティーを対象に差別的システムや国家による暴力によって生み出されるマイノリティーの集団的心理現象についての研究をする。博士論文に取り組む忙しい中でも、北米沖縄県人会のイベントにも積極的に参加し、ボランティアとして県人会を支える。

 与那国町出身の父と羽地村田井等(現名護市)の母の元、1987年に那覇で生まれた。那覇商業高校卒業後に渡米し、テキサス州のキルゴア短期大学語学学校に入学、サンタバーバラコミュニティーカレッジ(2年制)を経て、アンティヨーク大学サンタバーバラ校(4年制)でリベラルアーツの学士号を取得した。

 中学生の頃から、米国の大学に進学することを考えていた。当時、米中枢テロ9・11が起き、多くの米軍基地を抱える沖縄では安全性が懸念され、本土からの観光客が激減した。「沖縄社会がいかに米軍基地に大きく影響される存在であるのかを知った。米軍基地を通して沖縄の社会を振り回す米国という国と、その国家を支える米国人という存在を知りたいと思った」と留学の動機を話す。

 大学院大学では、差別システムのメカニズムと人間の深層心理との関係性について研究する。沖縄社会を研究対象としたのは、米軍基地によって生み出される沖縄社会の異常性を認識できなかった自分がいたからだ。「米国と沖縄、そして日本本土を行き来するうちに、国道に沿い米軍基地のフェンスが立ち並んでいること、戦闘機が学校の上を飛行していること、基地が存在しなければ起こらない、米軍人による事件・事故を異常なことだと認識できなかった自分の意識に疑問を感じた。基地負担の実態を通して見える、日本本土の沖縄に対する差別意識も認識できていなかった。私のように認識できない沖縄の人々の集団的心理現象の要因を知りたいと思った」と強調する。

 社交的で、ウチナーグチが上手な東新川さんは、県人会コミュニティーに貢献したいとイベントに関わる。県人会が月に1回行っている、しまくとぅばクラブにも参加した。「沖縄から遠く離れたロサンゼルスで、県系2世、3世、4世たちが、一生懸命に先祖の言葉を学ぶ姿に感動した。学ぶ姿からは自身のアイデンティティーへの思いや、先祖への深い尊敬を感じた」と話した。

 大学院大学卒業後の進路はまだ決まっていない。米国で沖縄に関する研究を続けるか、沖縄に戻り学んだ事を教えるか、また米国と沖縄を行き来する仕事をするか、模索中だ。
 (当銘貞夫通信員)