「県民結集」「悠長」 辺野古県民投票 識者招き座談会


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 米軍新基地建設に伴う辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票の実施を求める署名活動が始まったことを受け、琉球新報社は7日、沖縄県那覇市の本社で関係者や識者を招いて座談会を開いた。「辺野古」県民投票の会副代表の新垣勉弁護士は「県民のエネルギーを結集できる」と県民投票の意義を強調。元裁判官で新基地建設の反対運動に取り組む仲宗根勇氏は「県民投票などと悠長なことは言ってられない」と批判した。琉球大名誉教授の江上能義氏は埋め立てに対して賛否双方の立場の人々が参加することが必要と指摘した。県民投票を巡る論点や課題が浮き彫りになった。

 新垣氏は「憲法や法を無視する強引な政治手法がまかり通っている時に民衆が対抗する大きなよりどころはやはり民意だ。辺野古に行きたいけど行けない県民のエネルギーを結集したい。現地の闘いと私たちの運動は併存し共闘する」と述べた。撤回は知事の判断であり、妨害することはないと説明した。

 仲宗根氏は「安倍政権下で裁判所が県民投票の結果を本当に重視するのか」と疑問を呈した。「県民投票は知事の埋め立て承認撤回の判断を遅らせ、建設の既成事実化が進むのではないか」との懸念も示した。

 江上氏は政治学の立場から1996年の県民投票、97年の名護市民投票で投票結果が尊重されなかった教訓を踏まえ「県民が正念場と思うなら『(県民投票に)意味はない』と言う人を説得し、埋め立て賛成、反対両方の立場の人が議論し、県民投票の機運をつくらなければならない」などと指摘した。