被災地との絆 広がれ奇跡のアジサイ


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奇跡のアジサイを「よへなあじさい園」の仲村洋子さん(右)に寄贈した比嘉初子さん=7日、北中城村和仁屋の比嘉さん宅

 【北中城】東日本大震災で決壊した福島県須賀川市の藤沼ダム湖底で見つかった「奇跡のアジサイ」。北中城村で株分けされた奇跡のアジサイを育てる比嘉初子さん=村和仁屋=が7日、本部町伊豆味の「よへなあじさい園」に、自宅のアジサイ5株を寄贈した。

 奇跡のアジサイは、同市の長沼商工会が“里親事業”として、全国に株分けしている。

 北中城村は、村民有志でつくるYORISOI隊の福島県での支援活動をきっかけに、2016年から事業で株を分けてもらっており、取り組みに賛同した比嘉さんは村から1株を譲り受け育てきた。現在では15株が自宅の庭できれいに色づいている。比嘉さんは、福島の被災者の思いや村の活動を知り「これは枯らせてはいけないと思い、専門書を読みながら栽培してきた」と自慢のアジサイに目を細める。

 新聞でよへなあじさい園の活動を知った比嘉さんは「株も増えてきて、奇跡のアジサイをよへなあじさい園にも寄贈したい」と、同園を訪ねたところ、快く引き受けてくれたという。

 7日、あじさい園の仲村洋子さんが、比嘉さん宅を訪れた。2人は満開になった奇跡のアジサイを見ながら、アジサイ談義に花を咲かせた。仲村さんは「新聞で比嘉さんの活動を知り、園に提供をもらえたらと思っていた。声を掛けてもらって本当にうれしかった」と語る。今後、あじさい園内で「専用スペースを設けて、取り組みを紹介することも検討したい」と話した。