沖縄県は23日、沖縄戦の組織的戦闘の終結から73年となる「慰霊の日」を迎えた。最後の激戦地となった糸満市摩文仁の平和祈念公園では、県と県議会主催の「沖縄全戦没者追悼式」が午前11時50分から開かれた。式典では激しい地上戦に巻き込まれ命を落とした住民ら20万人以上をしのび、恒久平和の誓いを新たにした。
公園には早朝から多くの人が訪れた。沖縄戦などで亡くなった人たちの名前が刻まれた「平和の礎」では、手を合わせる遺族らの姿が目立った。2018年度は新たに58人の名前が礎に追加され、刻銘者の総数は24万1525人となっている。県内各地で慰霊祭が執り行われ、鎮魂の祈りで包まれた。
式典の平和宣言で翁長雄志知事は、米朝首脳会談での朝鮮半島の非核化に向けた共同声明発表など緊張緩和に向けた動きに言及。名護市辺野古の新基地建設はアジアの緊張緩和の流れに逆行しているとし、建設阻止の決意を重ねて示した。
平和宣言の後には浦添市立港川中3年の相良倫子さん(14)が平和の詩「生きる」を朗読した。安倍晋三首相や衆参両院議長、関係閣僚も出席した。