【キラリ大地で】アメリカ 日本食料品店経営 サヤ子・ペインさん(宜野湾出身)


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太鼓指導 絆つなぐ

 

日本食料品店を営む宜野湾市出身のサヤ子・ペインさん(左)と夫のフランクリンさん

 宜野湾市出身のサヤ子・ペインさん(66)=旧姓・平安座=が米フロリダ州で営む日本食料品店「マツヤ」は、日本食食材が調達できる店として長年、日系人や県系人に重宝されている。日本食ブームの今では、米国人客も多い。刺し身のマグロやタコ、日本の焼き肉のタレなどが売れ筋だという。サヤ子さんは、米海兵隊員だったフランクリンさんと結婚し、1987年に同州ジャクソンビルに引っ越した。一女一男に恵まれ、41歳になる長女は、2年前から看護師として韓国の米軍基地に勤務する。39歳の長男、フランクリンさんは結婚し2児の父で、コンピューター技師として大手の製薬会社で働いている。

 店は12年前、前オーナーから引き継いだ。米軍関係者が多く住む地域柄、沖縄勤務の時に知った沖縄そばを懐かしいと買っていく客もいるという。サヤ子さんが平日働き、政府関係の仕事に就いている夫のフランクリンさんが週末に店番をする。

 サヤ子さんは「仕入れや税金など事務処理はすべて夫の仕事。恥ずかしがり屋だったが、今ではお客さんに笑顔で応対している」と話す。

 サヤ子さんは、琉球國祭り太鼓ノースカロライナ州ジャクソンビル支部長を務めている。2002年に支部長に任命され、太鼓指導は15年以上になる。一緒に琉球國祭り太鼓を始め、ジャクソンビルでの普及に尽力した友人が突然亡くなり、友人の遺志を継ぎたいとの思いでこれまでやってきたという。

 今年3月に開かれたジャクソンビル沖縄県人会創立30周年記念祝賀会で、勇壮な演舞を披露し会を盛り上げた。演舞した大人3人と小学生から高校生までの総勢11人には会場から大きな拍手が送られ、500人の観客を魅了した。

 太鼓の練習は金曜日に行っている。自宅ガレージを開放し、練習に励む。ガレージの清掃や準備は夫のフランクリンさんが行うなど協力を惜しまないという。練習後は、一人一品持ち寄り、一緒に晩ご飯を食べるのが恒例だ。コミュニケーションを図り、絆を強くしている。サヤ子さんは「皆が仲良く楽しく演舞することが一番。これからもライフワークの一環でボランティアとして指導を続け沖縄芸能を継承したい」と話した。
 (鈴木多美子通信員)